第7話

英検一級の金銭的価値はあなたの年収の何倍か

英語力の金銭的価値を真剣に取り上げるメディアがないことから、あえてこのトピックに触れたいと思います。

結論は、英検一級の英語力をうまく活用すれば年収はX倍にもなるということです。すなわち英検一級は年収の数倍の価値があることになります。

実務経験のほかに「話す・聴く・読む・書く」の実用英語四技能があることをアピールして外資系金融業などに転職した場合、年収がX,000万円以上となるケースは多いです。数年で解雇される場合もありますが、転職が比較的容易な業界なので実力があれば困りません。日本企業の終身雇用制度もなくなりそうな中、外資系の相対的魅力が増している感じがします。

事業会社で一定の経験を積み、高い英語力をもっている人の場合、同じ業界の外資系企業が転職先候補となりますが、とくに英語を話す・書く能力は大事です。

外資系での社内コミュニケーションとしては一般会話以外に、メールや会議があります。英語である程度込み入った内容を発表する能力。その重要性は英語教育界において十分認識されていません。

具体的には、ある問題に関して瞬時に3行ほどの意見発表ができること。言ってみればとてもシンプルなことですが、英語教育大論争の中この点に関する認識が不十分な感じがします。

外資系に勤務すると気がつくのは、英語の発音はだれも気にしないこと。大事なのは英語を使って仕事をして成果をあげる。これだけです。その過程で人と交渉する、説得する、そういう力が必要ですが、そこであなたの発音など誰も気にしない、というか話の中身以外のことはどうでもよくなります。(ただ、相手の顔を見てゆっくりと話しかけるプレゼン力は中身の伝達には役立ちます。シャドーイングのように早口で話すと頼りない印象を与えかねません。)

英語学習者はこの事実をしっかり認識した上で勉強すべきです。英語教育大論争に気をとられることなく。

もしも自分が転職を望む英語学習者だったら、以下のようなことをするでしょう。

  • 英語のラジオ放送を聴き自然な英語のスピードに慣れる(TOEICの英語は遅すぎる)(UK Radiosなどスマホアプリを使えば無料で聴ける)
  • ノイズキャンセリング式のイアホンで英語の発音をしっかり聴いて慣れる
  • 英字新聞はコスパ悪いのでネットで海外新聞記事を拾い読む(英字新聞はコスパ以外に、翻訳英文の質がイマイチの印象)
  • 毎日スマホに話しかけ、自分の英語発音の弱点を直す

転職先としては視野を広げて海外も選択肢に含めるべきです。いまや世界各地で活躍する日本人がいます。英検一級程度の力があれば、高給なポジションは海外にはいくらでもある感じがします。とくに東南アジアは駐在員の増加、それに伴う現地日本人関連ビジネスなど、有望な転職先が見つかりそうです。終身雇用を約束できない国内企業を見限り国内外資系企業や海外に目を向ける時が来ました。